2020年7月19日日曜日

円空の和歌

昭和35年5月、岐阜県武儀郡洞戸村(現:関市)高賀神社にて、多数の円空の歌稿が発見されました。これは円空が大般若経を修復する際、巻子本を折り本形式に改めて、表紙裏などに自作の和歌を書き綴った紙を貼り込んでいたものでした。これは草稿であったらしく、墨で塗り潰したり後から書き加えたりと推敲の跡が見られます。(この項は著書「円空の和歌」編集:岐阜県歴史資料館  発行:岐阜新聞社 平成14年4月5日、「洞戸村の円空」発行:洞戸村・洞戸村教育委員会などを引用して作成したページです。)


(1)旅の人 円空
       伊福山 法の泉の 湧き出る 水汲玉の 神かとそ思ふ 
  さしもくさ あや野々里の 錦木は 今日打染る 菊花哉
  高沢や 閼伽井の水 形移す 三世仏の 鏡成けり
  年のよの さすか蜂屋の 串の柿 蜜と見かふ 甘口にして
  白ら山や 洲原立花 引結ふ 三世の仏の 玉かとそおもふ
  下田なる 袈裟こそ祭れ 粥も哉 鹿あふ人の 〇〇かとそ思ふ
  一野御宮 法の舟山 渡るらん みつ呂の牛も 今日はこゑつゝ
  音にきく 位の山の 榊はは 手にとる度に 花かとそおもふ
  一之宮 神の御舟は はるばると 花盛も 長くさくらん
  駒か嶽 のりくら山の 神なるか けさの御山に 夕立そふる
  飛たの国 ふる初雪は 花なれや 心の内の 春かとそ思ふ
  松嶋や 櫛木の水を 手向らん 玉よりくるか 結ふかすかす   

(2)信仰の人 円空
  うれしさは なにゝつゝまん けさの袖 かゝる袂は ゆかたなりけり
  チワヤフル たつかとそおもふ 北の海 只ひとすしに 渡日の本

(3)人間 円空

(4)うたを詠む円空