高沢や


高沢や 閼伽井の水 形移す 三世仏の 鏡成けり 【原文】

高沢や 閼伽井の水に 形移す 三世の仏の 鏡成りけり

(たかざわやあかいのみずにかげうつすみよのほとけのかがみなりけり)


日竜峯寺(関市)は高沢観音とも称され、美濃西国三十三観音二十五番霊場として栄えてきました。本堂の前方は舞台造りで、京都の清水寺によく似ていることから「美濃清水」としても知られています。約30年前、近くの平成(へなり)地区に平成道の駅が出来て賑わいをみせています。

「閼伽(あか)」は、仏教において仏前などに供養される水のことで六種供養のひとつ。功徳水(くどくすい)と訳される。「閼伽井」は 仏前に供える閼伽の水をくみ取るための井。転じて、寺院や墓地にある井戸の意にも用いられる。<引用した和歌は出来る限り原文のままとしましたが、常用漢字、現代カナ遣いを用い、解釈は多くの研究資料を参考にしました


参考:

「高澤観音」と呼ばれている日龍峯寺は岐阜県下最古の寺で、京都の清水寺と同じ舞台づくりでよく似ていることから美濃清水とも呼ばれています。鎌倉時代、北条政子によって寄進された本堂は応仁文明の乱によってなくなってしまい、今の建物は江戸時代に建てられたものです。

ー関遺産のひとつ日龍峯寺(高澤観音)ー

美濃の清水とも呼ばれ、安産子授けの寺、岐阜県最古の寺、両面宿儺伝承の寺として有名な「高澤観音」と呼ばれている日龍峯寺を紹介。

国指定重要文化財の多宝塔、清水寺によく似た造りの本堂、市指定天然記念物の20メートルある千本桧、眼病、病気平癒に良いと言われるみたらしの霊水があります。本堂のうらにあるみたらしの霊水は眼病、病気平癒に良いと言われています。願い事をして飲むか、患部につけて使用するとよいそうです。持ち帰り用の容器も用意されており、容器代(100円)を賽銭箱に入れて持ち帰ることができます。

寺伝によれば、5世紀前半の仁徳天皇の時代、美濃国に日本書紀にも登場する両面宿儺(りょうめんすくな)という豪族がいた。両面宿儺はこの地方に被害を及ぼしていた龍神を退治し、龍神の住んでいたこの山に祠を建立したのが始まりと伝わる。鎌倉時代、北条政子によって再興されたと伝えられている。室町時代、応仁の乱によって多宝塔を残し堂宇の大半を焼失した。その後、江戸時代になって現在の伽藍が整えられた。


ー閼伽井についてー

あか‐い ‥ゐ【閼伽井】?名? (「井」は、用水をくみ取る所。時に井戸のこと) 仏前に供える閼伽の水をくみ取るための井。転じて、寺院や墓地にある井戸の意にも用いられる。

…仏会では加持した水や,霊地の水,あるいは香木を水に入れた香水(こうずい)を用いる場合が多い。閼伽の湧く井戸を閼伽井と呼び,東大寺二月堂下の閼伽井や園城寺金堂わきの井,秋篠寺の閼伽井など著名な井戸が現存する。宮中真言院の後七日護摩の閼伽水は神泉苑の池水を汲み,香水ともいわれ,大元帥法(だいげんのほう)の閼伽水は秋篠寺の井戸水を用いた。… 仏に供える閼伽の水をくむ井戸。

閼伽(あか)は、仏教において仏前などに供養される水のことで六種供養のひとつ。サンスクリット語のargha(アルガ)の音写で、功徳水(くどくすい)と訳される。閼伽井から汲まれた水に香を入れることがあり、閼伽香水とも呼ばれることもある。

閼伽(あか)は、仏教において仏前などに供養される水のことで六種供養のひとつ。サンスクリット語のargha(アルガ)の音写で、功徳水(くどくすい)と訳される。閼伽井から汲まれた水に香を入れることがあり、閼伽香水とも呼ばれることもある。

インドでは古く、来客に対し足をそそぐための水と食事の後口をすすぐための水が用意されたといい、それが仏教に取り入れられ、仏前や僧侶に供養されるようになったものである。

閼伽を汲むための井戸を「閼伽井」、その上屋を「閼伽井屋」、「閼伽井堂」と称される。また、閼伽を入れる瓶(びん)を水瓶(すいびょう=軍持)と称し、閼伽を入れる器を「閼伽器」、閼伽を供える棚を「閼伽棚」と称される。


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