時在は



時在は 安く登る み山路の 福へ嶽 主なりけり【原文】
時あらば 安くも登る 御山路の 瓢ヶ岳の 主なりけり
(ときあらばやすくものぼるみやまじのふくべがたけのあるじなりけり)

長良川中流の池尻(関市)は、円空が復興した弥勒寺があり、入寂の地です。関から高賀あたりの地域は、円空にとって晩年の身の寄せどころであり、高賀神社には歌集をはじめ、旅の持ち物を納めており、第二のふるさとだったのでしょう。<引用した和歌は出来る限り原文のままとしましたが、常用漢字、現代カナ遣いを用い、解釈は多くの研究資料を参考にしました>

参考:ー高賀山 瓢ヶ岳ー
奈良時代(養老年間)に建てられた高賀神社が山頂の2.5 km南南東の麓の洞戸地区にあり、古くから山岳信仰の山として知られている。山名は藤原高光が隣の瓢ヶ岳に出没して里人を苦しめた魔物を退治した伝説での「秀でて高き故まためでたい」という意味に由来する。江戸時代に高賀神社には円空が登拝し多くの円空仏を残し、円空ゆかりの地として「関市洞戸円空記念館」が併設されている。麓の高賀神社の大鳥居から高賀山を望むことができる。高賀神社から高賀川上流側の宮下林道沿いに「高賀の森公園」が整備されている。山体は流紋岩類で構成される。『新撰美濃志』で「遠くこれを望めば矢筈の如く見ゆ、故に近国皆箭筈山といふ、最も秀抜なり」と記されていて、濃尾平野から特徴ある山容を望むことができる。ぎふ百山のひとつに選定されている。山域は岐阜県により、「奥長良川県立自然公園」の区域内に指定されている。

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